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コラム
2024.10.01

№_8 福井 金沢 そして小牧へ

毎年、秋に自店舗で開催する、うつわの展示会に向けての、素材集めに

数年前から”うつわの産地”に行くようになりました。

3年ほど、佐賀県を中心に回っていましたが、今年は3泊4日の”福井”へ。

 

福井といえば、業務用漆器の産地で、

一方では眼鏡のフレーム製造の産地(福井県・鯖江市)として有名です。

今回、初視察という事で、行く前からワクワク。

漆器・陶芸・硝子と、モノづくり、そして「食」に触れる事が出来ました。

今後、時間をかけて深堀りしながら、色々なタイミングで紹介出来そうです。

 

展示会は10月14日~二週間を予定。

その時には、数十点展示する予定です。

又、展示会ではこれらを含む200点以上の

商品が並びます。

 

さて、今回の”福井”レポート

見る事、聞く事が優先で、スマホに収めた画像のクオリティとしては今一つですが

この場で紹介しようと思います。

 

今回、アテンド頂いたのは、福井県鯖江市で、

業務用漆器の企画・製造・販売をおこなう、(株)やまよ様

”やまよ”さんというフィルターを通す事によって、得られた今回の情報は

想像以上に魅力的なものばかりでした。

 

今回訪れた、福井市・鯖江市・越前市、そして金沢。

越前漆器・越前焼・越前刃物・越前和紙など、様々な工芸品があり

これらは、長い歴史と伝統があります。

「伝統と革新」が積み重ねられながらも、現代のどの産地でも課題と

されている、職人や後継者不足は目の当たりにし、一方で、今回出会った作家さんは

それぞれ個性が光り、これからが楽しみに思える方ばかりでした。

 

 

それでは、時系列でご案内します。

【DAY1】

帰りは直行便にしましたが、行きは羽田経由の方が早く到着するので

”羽田経由”で向かいました。

 

到着後、その足で向かった先は

「ESHIKOTO」(エシコト)

「ESHIKOTO」は、日本酒を造り続けている黒龍酒造を擁する石田屋二左衛門が

創造したブランドであるのと同時に、

永平寺町に誕生した、お酒を核に福井を中心とした北陸の文化を伝える場所。

施設名と、銘柄名がイコールになっています。

「ESHIKOTO」が購入出来るSHOPと、

Apéro & Pâtisserie acoya

という飲食店が併設。

建物の前には、里山と大河”九頭流川”が見渡せる

雄大なロケーション

 

有料試飲をしながら、購入するお酒を品定め

する事も出来ます。

周囲を見渡せば、建築中の建物もあり

11月下旬に、オーベルジュ「歓宿縁 ESHIKOTO 」も

オープンされます。

~時間が無く行くことは出来ませんでしたが

近くには、曹洞宗の大本山「永平寺」があります~

※グラスは、木村硝子店製。

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【DAY1】×【食事】

福井市内郊外にある

Watom農園内にある

直営レストラン

農園では珍しい西洋野菜や果物そしてエディブルフラワーなど

160種類以上を栽培しています。

レストランでは、農園で採れたものをふんだんに取り入れたメニュー

を使ったお料理が楽しめます。

この日のディナーは、私達のみだったので

シェフをはじめスタッフの方々の

お話もゆっくり伺えて

和んだお食事会になりました。

 

付き出しのお料理から

箱の中に敷き詰めれている

忽谷石(しゃくだにいし)は、地元で採掘される石材で

可愛らしいタルトと良いコントラストになっています。

画像左側は、福井県を型どった”チュイル”

もずくカニのリゾットのうつわは

明日視察するガラス作家さんのうつわ

この日は数種類のいちじくが
随所に登場。
個人的に好きな食材なので
思わずパチリ。

見たことのないお野菜が多く並びます。

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【DAY2】×【視察】

越前市のガラス工房へ

工房からは、越前海岸が見渡せ、

この日はお天気も良く、

ガラスも陽射しを浴びとても綺麗でした。

前日の食事で出て来たエメラルドグリーンの

プレート。

ランプシェードがそのまま

ボウルになれば良いなと

お伝えしました。実現される事を願います。

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【DAY2】×【視察】

越前焼窯元の二代目として、作陶している

司辻健司さんのところへ

越前焼は日本六古窯として日本遺産にも認定されています。

鉄分の多い槌を使い、黒灰色から赤褐色の肌色が主な特徴。

工房にはそのような肌合いのうつわもありましたが

目に留まったのは

薄い越前焼の生地に、漆塗りを施したフリーカップ

前日のレストランのメイン皿として使用されていた

立渕のフラット皿。

(こちらのフラット皿は展示会でご覧になれます)

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【DAY2】×【昼食】

越前市内にある「生蕎庵」

地元のそば粉を使用した

風味豊かな十割蕎麦を「おろし蕎麦」で

小ぶりな浅めの鉢を使った盛付で、

サイズ感がとっても良かった。

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【DAY2】×【視察】

「タケフナイフビレッジ」

こちらは14社の刃物会社が協同組合として共同で運営を行っている

製造設備が整っている施設でもあります。

館内に入ると、ファクトリーショップでの購入は勿論

職人の製造工程を、2階フロアから見下ろす格好で見学する事が可能です。

 

この日の外気温は30℃以上でしたが

施設内は更に熱く、福井滞在の中で

もっとも体感温度が暑く

作業されている職人の方々の過酷な労働環境の中でも、

鋭い切れ味を持ち

国内外から支持される”包丁”を製造している。

職人さんへのリスペクトは忘れてはいけないと思いました。

鍛造からはじまり、焼き入れ、成型、研ぎ、そして仕上げの小刃付けの

一連の工程。

歴史は古く700年前、刀剣から始まり農業用の鎌を製作するようになったのが

起源とされています。

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【DAY2】×【視察】

(株)やまよ さんのショールーム

沢山の商品が展示されていて

やまよさんのアイデアから生まれたもの

レストランから要望があってデザインされたものなど

料理ジャンルを問わず、又、洋食寄りのうつわも多くありました。

錫の粉を表面に施したお敷。

展示会でご覧いただけます。

こういうテクスチャにどうしても目がいってしまいます。

ブラウンゴールドという色名だったか、

料理が映えそうなで、使い勝手が良さそうで

展示会用にお願いしてきました。

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【DAY2】×【食事】

福井駅すぐ前のテナントビルの1F

「ULO/cafe/Restaurant/music」

こちらは、銀座のフレンチレストランAir の姉妹店

レストランは1Fですが

上層階には今年開業したばかりの外資系ホテル

「COUTYARD BY MARRIOTT」(コートヤード・バイ・マリオット)

も入っています。

目の前はすぐ福井駅

今年開業したばかりの北陸新幹線福井

それに合わせて開発がすすめられたようです。

(余談ですが、北海道札幌への延伸が、更に延期になり

少々羨ましい限りです。)

この日は、別エリアの食器産地商社さんも

合流し、飲食業界や、食器製造業界など、

情報交換の場となりました。

地域を越えての繋がり、

又、「この業界を支えながら、盛り上げていこう」

という前を向いた姿勢。

励みになり、得意とする分野をミックスしながら

取り組んでいく事によって

私達の「強み」になれば良いなと思いました。

二件目は
「THE BAR 灯火」へ吸い込まれるように

こちらのボトルは福井のお隣、富山県

砺波市にある「三郎丸蒸留所」のクラフトウイスキー

創業1862年の日本酒製造業を営む若鶴酒造が

立ち上げたウイスキーブランド。

面白いのが、タロットカードがモチーフになっており

例えば「三郎丸 0(ゼロ) THE FOOL」など

ネーミングとラベルに引用されています。

福井駅に向かうと、

実物大の恐竜ロボットがディスプレイされ

様々な角度から見る事が出来ます。

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【DAY3】×【視察】

福井市の流木材木店へ

ありとあらゆる、流木が倉庫内の所狭しと並べてある。

これにはかなり圧倒されました。

一度記憶に留め、後は何かの案件があった時に

摺り合わせし、仕上げ加工し、うつわにしたり

ブッフェ機材に使用したりと、装飾の幅が広がります。

こちら側の創造性も試される面白い商材だと思いました。

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【DAY3】×【視察】

坂井市の女性陶芸作家さんのところへ。

こちらの緑釉が素敵でした。

そして、こちらのトルコブルーも良い色で

お料理が映え、印象深く魅力的なヒトサラになりそう。

聞くと、形状は色々と相談に乗ってくれそうで

まずはこのあたりを展示会用に準備する頃にしました。

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【DAY3】×【食事】

ナポリピッツァと薪窯焼料理のお店

「BIRD LAND」

1989年に喫茶店としてオープンしましたが

オーナーが本場のピッツァに魅了され、ナポリで研鑽を重ね

「真のナポリピッツァ」に認定されています。

香ばしくさっと焼き上げた甘えびは、福井の特産品

「三国の甘えび」

薪の香りをまとった、ナポリピッツァ

はとても美味しかった。

 

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【DAY3】×【視察】

車で金沢方面へと

金沢市内在住のガラス作家さんの元へ

日本古来からある「縞」をモチーフにした

うつわを作られています。

一つ一つ、色も模様も異なり、

女性作家さんならではの繊細さ。

ときめきっぱなしで、展示用にするための

商品を絞るのが大変でした。

画像ではわかりにくいので、是非展示会で。

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【DAY3】×【食事】

金沢市内のフランス料理店

「Installation Table ENSO Lasymetrie du calme」

後ろ側にあるイラストは

金沢大学の生徒さんが書いたもので

その日料理される食材。

とてもユニークはメニュー表

「DRAPPIER」には、木村硝子店の

ピーボオーソドックスシリーズ

ハスの葉からこぼれ落ちるじゅんさい。

四角いお敷は、磁器と思いきや

金属でした。

ESNOさんの器使い。異素材との組み合わせ。

うつわ好きであれば、見ただけでわかるという

特徴のあるテクスチャとフォルムの木のうつわ

「Shimoo Design」製

この鉢型のフォルムがとてもよかった。

陶器やガラスで作ったらどうか・・

皆の想像力が開いていく。

デセールの演出。

ピンセットでつまんであるのは、

沢山の蜜を含んだ蜂の巣

動画でお見せ出来ないのが残念。

お食事は約4時間とレストラン滞在時間は長かったのですが

使用されている器の事や、業界の話などにも夢中になり、あっという間でした。

洗練された空間・お料理・うつわ・演出は、大変贅沢な時間です。

と、同時に大きな課題を与えられます。

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【DAY4】×【視察】

小牧市

谷口製土所の谷口さんに会いに・・・

谷口さんは、谷口製土所という、陶芸用の粘土を製造販売しています。

場所柄、ご存知「九谷焼」の陶土になります。

祖父、そしてお父様から事業を引継いでの「三代目」

 

私が、谷口さんに出会ったのは、バイヤー向けのインテリア見本市。

谷口さんが2013年に、別部門として立ち上げた

テーブルウェアブランド「HANASAKA」が、ちょうど出品されていた時。

そこで見た、白磁のシリーズに瞬時に惹かれた「美しい白さ」。

その後、白磁のシリーズのお取り扱いはスタートしましたが、

現在は、職人不足という事情で廃番。

職人不足は各産地、深刻化しておりますが、創意工夫で

色々な取り組みがなされています。

 

製土所のすぐ近くにある

「九谷セラミックラボラトリー」

建物の建築は、世界的にも有名な建築家「隈 研吾」氏によるもの。

施設内では、製土工場・ギャラリー・体験工房・レンタル工房を兼ね備えた

複合型久谷焼文化施設です。

北陸滞在最終日もお天気に恵まれました。

ラボ内の製土工場は、実は、谷口製土所の分室。

こちらでは、ロクロ挽き用の粘土の一部の過程を

ガラス越しに見る事が出来ます。

そして、ファクトリーショップでは、

様々な九谷焼ブランドの中に混じり

谷口さんのテーブルウェアブランド「HANASAKA」を

見る事が出来ます。

画像の商品は「Uneシリーズ」

興味深いのは、地元の”花坂陶石”

その陶石から造られるロクロ用粘土と

陶土の間に粘土にならず廃棄されている

陶石の粘土を

再利用した釉薬を用いて焼成しています。

一つの陶石を二つに分け、また一つに焼き上げる。

谷口さんだからこそのシリーズなのです。

谷口さんに、今回アテンドした、やまよさんを

紹介出来ました。

やまよさんからの言葉で

「自分らの福井だけでは無く、北陸全体の事

考えていかないと・・・」

今回の得られた”コト”は

ほんのさわりの部分だけだと思っています。

深堀りしていく機会をつくり、北海道の地で

微力ではありますが、発信していきたいと思います。

 

まずは、

10月14日の展示会からスタートします。

展示会については、また改めて紹介致します。

 

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